拝啓 陽春の候、貴殿におかれては、ご健勝にてお過ごしのこととお慶び申し上げます。
お蔭様で、この三月末をもって、日本弁護士連合会会長の二年の任期が満了し、無事退任することができました。
在任中は、公私にわたって大変お世話になりました。
心より御礼申し上げます。
目まぐるしい日々も「終わりは来るもんだ」と、余韻を楽しむはずでしたが、コロナに同じことをつぶやきかける毎日です。
日弁連の力の源泉は、多様性にあります。弁護士一人ひとりの個性と価値観が、各地単位弁護士会を形造り、委員会を構成し、
様々な組織の議論を経て、日弁連に雪崩れ込みます。
日弁連には日弁連のこれまでの意見と論理が積み上げられており、日弁連内での会議体でのせめぎ合いの結果、一つの合意が
形成されていきます。
私はこのプロセスが楽しみでした。そして形成された合意・意見をどう実現(執行)していくか、悩ましくも大いにやりがい
がありました。
皆様のご支援で充実した二年間を賜りましたことの感謝を心に刻んで、会務は(陰ながら)もとより、ご迷惑をおかけしてき
た業務についても、残りの弁護士人生を賭けて精励したく、あらためて決意している次第です。
お世話になった皆様お一人おひとりにお会いしてご挨拶すべきところ、時節柄、書状にて失礼申し上げますこと、お許しくだ
さい。
誠にありがとうございました。
敬具
令和二年四月吉日
弁護士 菊 地 裕太郎